
脈拍が早くなることは、誰しも経験があると思います。
緊張したときや、激しい運動をした後など、脈が早くなっているのを感じるでしょう。
こうした背景がある場合には、緊張状態が抜けたり息を整えたりすることで、脈拍は通常通りに戻ります。
一方で、何もしていない時に突然脈拍が早くなったり、脈拍数が異常なまでに増えるといった場合には、何らかの不調が起こっていることを疑う必要があります。
また、普段の歩行など軽い運動も脈が早くなる、脈拍数が増える、脈が飛ぶといった症状がある場合も、気づいたときには、お早めに当院にご相談ください。
「脈が飛ぶ」とはどういう状態?
脈が飛ぶ感覚は、実際に経験したことがある方はよくわかると思います。
具体的には、心臓の電気信号が本来出るべき場所よりも早く出てしまうことで、不規則な拍動が現れるという不整脈の一種です。
医学用語では、期外収縮と呼ばれています。
期外収縮は健康な人でも起こることがあり、ほとんどの場合は一時的なもので特に心配はありません。
しかし、脈が飛ぶのと併せて動悸や息切れを伴う場合や、連続して飛ぶ感覚を覚える場合には、クリニックで相談することが大切です。
脈の早さや脈の飛びが起こる原因と併発する症状
脈拍は個人差がありますが、平均としては1分間に60~100回ほどと言われています。
この脈拍は、リラックス状態では大きく乱れることがなく、規則正しいリズムで刻まれます。
しかし、狭心症や心筋梗塞、心不全などの心臓疾患がある場合、心臓の電気信号に乱れが生じ、突然脈が早くなることがあります。
その他にも、高血圧や糖尿病などの生活習慣病、甲状腺の病気なども原因として考えられています。
病気以外の原因としては、過度の疲労が蓄積した状態、ストレスに晒されている状態、飲酒・喫煙習慣、睡眠不足、自律神経が乱れている状態が挙げられます。
一時的なストレスや疲労によって発生する頻脈や脈の飛びであれば、大きな問題はありません。
一方で、不整脈と合わせて以下の症状が出る場合には早めに医療機関を受診しましょう。
注意すべき症状
- 激しい動悸、息切れ
- めまいやたちくらみ
- 突然の虚脱感
- 失神
- けいれん
など
脈が飛んだり早くなったりする問題の検査
脈拍に不調があった場合には、クリニックで検査を受けることができます。
検査では、脈拍の測定、心音の確認などを行った上で、血圧の測定、血液検査、心電図検査、ホルター心電図検査、超音波検査など幅広い精密検査を実施します。
明確な診断を行うために、受診前には以下のような情報を記録しておくと良いでしょう。
「脈が速い」「脈がとぶ」と感じた時の状況をメモしておく
- 不整脈が起こった際、何かきっかけがあったかどうか
- 脈拍が早い、飛んでいる、遅い、痛みがあるなど、具体的な症状
- 脈拍以外の不調や気になる症状はなかったかどうか(頭痛、めまいなど)
- 1分間あたりの脈拍数
脈が早い、飛ぶなどの不整脈を改善する治療
不整脈を改善するための治療には、薬物治療をはじめ、カテーテルアブレーション治療、ペースメーカなどを用いたデバイス治療という選択肢もあります。
薬物治療
薬物治療では、主に脈拍を整える抗不整脈薬を使用して症状の改善を目指していきます。
カテーテルアブレーション治療
カテーテルアブレーション治療とは、不整脈の原因となっている心臓組織を焼いて破壊する治療法です。
足の付け根からカテーテルを挿入し、高周波やレーザーなどを用いて焼灼していきます。
少し負担の大きな治療にはなりますが、脈が急に早くなる、脈が飛ぶといった症状には効果的な方法です。
デバイス治療
デバイス治療は、植込み型のペースメーカや除細動器(ICD)などの専用デバイスを挿入する治療法です。
ペースメーカーは聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
患者様の症状や体全体の健康状態に合わせて適切なデバイスを用いることで効果を発揮してくれます。
不整脈を起こさないための予防
脈が急に早くなったり飛んだりする不整脈を予防するためには、生活習慣の改善が有効です。
規則正しい生活、バランスの取れた食事はもちろん、過労やストレスをためないこと、睡眠不足に気をつけること、カフェインやアルコールはなるべく控えることなども重要です。
生活習慣の改善というと、多くの場合は運動が大切と言われますが、不整脈の種類によっては激しい運動ができないケースもあります。
運動に関しては医師に相談の上で、無理なく取り入れるようにしましょう。
不整脈が気になった際には早めにご相談ください
不整脈の症状が気になる場合には、ぜひ一度当院へご相談ください。
特に、胸痛や息切れ、めまいなどの症状を伴う場合には、早急に検査を受けることをおすすめします。
以下では、不整脈の受診の目安を紹介しますので参考にしてみてください。
- 動悸が頻繁に起こる
- 脈拍の異常と合わせて失神を繰り返す
- 意識が飛んだり胸が苦しくなったりすることがある
- 息苦しさ、胸の痛み、冷や汗などがある
- 常に脈が早い、平均より遅いなどの違和感がある
脈拍が飛んだり早くなったりする状態は、心臓に負担がかかってしまっている可能性が高いです。
まずはしっかりと原因を知り、必要に応じて治療を行っていきましょう。
クリニック情報
はたにクリニックは、内科・循環器内科・心臓リハビリテーションに対応しています。
これまで通院しておられた患者様、須磨区周辺にお住まいの方々の健康向上をサポートし、
病気にならないための予防、患者様のより良い生活維持のお手伝いができる地域の「かかりつけ医」として診療に力を注いでまいります。
体の不調や気になること、お困りごとなど、お気軽にご相談ください。
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