心臓弁膜症の原因

近年の高齢化により、心臓弁膜症の患者数は年々増加傾向にあります。
特に、加齢によって起こる心臓の弁の劣化、石灰化による心臓弁膜症が増加しています。

心臓弁膜症は年齢が上がるにつれて罹患率も高まっていく病気の一つです。
65～74歳では8.5%、75歳以上では13.2%と、65歳以上では10人に1人が心臓弁膜症を患ってる状態と言えます。

日本では、65～74歳で約140万人、75歳以上では約260万人が心臓弁膜症の潜在的患者であるという見方もあります。

年齢を問わず起こる心臓弁膜症

心臓弁膜症は加齢によって起こるケースが多いということをお伝えしましたが、実は若い人でも心臓弁膜症になることがあります。

若い年齢層の心臓弁膜症には、いくつかの原因が考えられます。

以下では、若い人が心臓弁膜症になる主な原因を挙げます。

心臓弁膜症の初期症状

心臓弁膜症は、初期段階では自覚症状がない場合も多くあります。
健康診断で心臓の拡大や雑音を指摘されて、初めて自分が心臓疾患であったと気づく方も少なくありません。
また、心臓弁膜症の症状は徐々に進行するため、何らかの不調が出ても体のほうがそれに慣れてしまっていることもあります。
心臓弁膜症の症状には、次のようなものがあります。

・運動をしていない状態での息切れ、呼吸困難を感じることがある
・リラックス状態で突然動悸が起こることがある
・胸に差し込むような痛みを感じることがある
・足のむくみが目立つようになる
・著しい体重増加が起こる
・疲れやすくなる
・ふらつき、めまい、失神などの意識障害が起こる

心臓弁膜症の検査方法

心臓弁膜症が疑われる場合には、クリニックでより詳細な検査を行う必要があります。
検査では聴診、心エコー検査をはじめ、血液検査や胸部X写真、心電図などさまざまな方法を用いて心臓の状態を丁寧に調べていきます。

聴診：聴診器で心臓の音を聞いて、雑音や心音の異常がないかを確認します。
心エコー検査：超音波検査の一つで、心臓の弁の動きや狭窄・逆流がないかを調べます。
血液検査：心臓に負荷がかかると分泌量が増加するBNPという成分の数値を測定し、心臓にどれくらいの負担がかかっているかを調べます。
胸部X写真：レントゲン写真で心臓の状態を画像として診断します。
心電図：心臓の電気信号を確認することで機能的な問題がないかを調べます。
CTスキャン：心臓の断面画像を作成し、心臓弁や血液の流れを調べます。

心臓弁膜症の治療方法

心臓弁膜症は放置していて自然治癒する病気ではないため、患者様の状況に応じて治療を行っていく必要があります。

軽度の場合は、薬物療法を行いながらの経過観察が一般的ですが、重症化している場合は外科的手術で弁修復や交換など、大掛かりな治療を行うことがあります。
近年、治療方法は多様化しており、患者様の希望にそった治療方法を提案することもできるようになりました。

まずは医師と相談して、ご自身に合った治療を選ぶことから始めていきましょう。