末梢動脈疾患(PAD・ASOを含む)

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末梢動脈疾患(PAD)とは

末梢動脈疾患(PAD)とは

末梢動脈疾患(PAD)は体の中心にある太い大動脈と心臓に酸素を供給する冠動脈を除いた全ての動脈に起こる病気をひとまとめにした名称です。狭心症や心筋梗塞、脳梗塞と同様に動脈硬化が深く関わる病気ですが、これらの病気に比べるとPADはまだまだ知られていません。人口の高齢化によりPAD患者さんは増加しているので理解を深めましょう。

PADは動脈硬化によって動脈が狭くなったり(狭窄)、詰まったり(閉塞)するために起こります。冠動脈が狭窄する狭心症(「狭心症」の項を参照してください)や閉塞する心筋梗塞(「急性心筋梗塞」の項も参照してください)との合併も多い病気なので、主に循環器医が担当しています。

ASOと末梢動脈疾患(PAD)の違い

末梢動脈疾患(PAD)のうち、足の動脈に生じる場合はこれまで閉塞性下肢動脈硬化症(ASO)と呼ばれてきました。したがってASOはPADの1種です。ただし最近ではASOと呼ばずに下肢動脈疾患(LEAD)と呼ぶように推奨されており、以下ではLEADとして表記するのでご注意ください。

PADの分類と症状

PADは障害される動脈の場所によって以下の5つに大別され、全身にさまざまな症状を生じます。複数の領域にまたがるPADも珍しくありません。

  • 脳血管、頸動脈、椎骨動脈
    脳梗塞、一過性脳虚血発作、黒内障などを生じます。黒内障は白内障や緑内障とは全く異なる病気なので注意してください。
  • 上肢の動脈
    上肢動脈疾患(UEAD)が起こると運動時に腕や手指のだるさや痛みが出たりします。
  • 腸間膜動脈(ちょうかんまくどうみゃく)
    腹部への血流が落ちるために慢性腸間膜動脈虚血(CMI)や急性腸間膜動脈虚血(AMI)を生じます。
  • 腎動脈
    腎臓への血流が落ちると高血圧(2次性高血圧)、腎機能低下(CKD)、腎不全が起こります。
  • 下肢動脈
    LEAD(下肢動脈疾患)を生じます。

LEAD(下肢動脈疾患)の症状

LEAD(下肢動脈疾患)の症状

LEADにより下肢動脈の血流が悪くなると歩いたときに足、特にふくらはぎやお尻がだるくなったり、歩き続けるのがつらくなったりします。いったん休むとすぐに良くなるのがLEAD初期段階の特徴で間欠性跛行(かんけつせいはこう)と呼ばれる症状です。ただし間欠性跛行はLEADだけでなく、整形外科疾患である脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)にもよくある症状なので注意してください。

LEADが悪化すると足やお尻のだるさや痛みが強くなります。また休まずに歩くことができる距離がだんだんと短くなります。残念ながら歩行距離が落ちる原因を年齢のせいにしてしまう方が珍しくありません。

さらに進行したLEADでは安静にしていても痛みが出ます。血流障害のために足の指が青黒く変色する場合や、足先だけ冷たく感じる場合もあります。足の傷が治りにくくなり、壊疽(えそ)を生じる場合もあります。足壊疽になると足の切断を要する場合もあるので、LEADの初期段階で治療を始めることが大切です。

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