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肺高血圧症とは
肺高血圧症は心臓から肺に血液を送る血管である肺動脈の血圧が高くなる病気で、肺の血管が狭くなる、硬くなる、あるいは詰まることで起こります。しかし詳しい原因は現在でも完全にはわかっていない部分が少なくありません。
肺高血圧症には肺動脈性肺高血圧症や慢性血栓塞栓性(まんせいけっせんそくせんせい)肺高血圧症などいくつかのタイプがあり、病態に応じて薬や外科手術で治療します。しかしながら上述したように現在でも解明されていない部分も多く、完治することはありません。そのため肺動脈性肺高血圧症と慢性血栓塞栓性肺高血圧症は厚生労働省の定める指定難病に含まれています。
肺高血圧症になると、肺に血液を送り出している心臓、特に右心室と呼ばれる部分に負担がかかり続けます。負担に耐え切れなくなった心臓は、最終的に右心不全と呼ばれる状態に陥ります。
肺高血圧症の症状
肺高血圧症から右心不全になると全身に酸素を十分に供給することができなくなるために、さまざまな症状が現れます。これらは肺高血圧症だけに起こる特別な症状ではありません。代表的な症状は息苦しさ、息切れ、倦怠感です。
病気が比較的初期の段階では強めに体を動かしたとき、すなわち全身が酸素をいつもよりもたくさん必要とした際に呼吸困難感や息切れが出ます。そして重症になると少し動いたり、あるいは安静にしていても症状が出ます。さらに失神や足のむくみを伴う場合もあります。
肺高血圧症を患った方は、激しい運動をすると病状が悪化する場合があるので注意してください。自分がどこまで体を動かしてよいかを主治医の先生に日頃から確認しておくようにしましょう。また自分が運動できる範囲の見極めには、心臓リハビリテーションが役立ちます。
肺高血圧症の検査
肺高血圧症かどうか判断するための主な検査は以下の通りです。
- 右心カテーテル検査
- 血液/尿検査
- 動脈血液ガス分析
- 心電図
- 呼吸機能検査
- 胸部レントゲン
- 肺換気、血流シンチグラム
- 心エコー(超音波)検査
- 腹部エコー(超音波)検査
- 下肢静脈エコー(超音波)検査
- 6分間歩行検査
- 心臓MRI検査
- 胸部CT検査
- 運動耐容能検査(CPX)
- 肺動脈造影検査